部品管理とは?基礎知識や管理が便利になるシステムを紹介
企業が保持している部品の数量や場所を管理する部品管理は、製造業において重要な業務です。
目次[非表示]
- 1.部品管理とは
- 2.部品表とは
- 2.1.部品表の種類
- 3.部品管理システムとは
- 3.1.部品管理システムができるまで
- 4.部品管理システムの機能4つ
- 5.部品管理システムの種類2つ
- 5.1.統合型部品管理システム
- 5.2.用途別部品管理システム
- 6.まとめ
この記事では、部品管理についての基礎知識や、部品管理業務をスムーズに行える部品管理システムの利用についてご紹介します。
部品管理とは
部品管理は、企業が保持している部品の数量や場所を管理することです。部品管理は製造業において重要です。
部品管理を正しく行うことで、製品を過不足なく供給できるようになります。生産性が向上し、人手不足の解消にもつながります。
部品表とは
「部品表」は製品を製造する際に必要な部品を一覧表にしたものです。部品表は「Bill of Materials」の頭文字を取って「BOM」とも呼ばれます。部品管理を行う際はこの部品表を使って管理します。この部品表は、設計や生産など、さまざまな部門で必要です。
部品表の種類
部品表には、大きく分けて「設計部品表」と「製造部品表」の2種類があります。
設計部品表は、製品を構成する全ての部品を一覧表にしたものです。設計部品表は「Engineering BOM」の頭文字を取って「E-BOM」とも呼ばれます。
製造部品表は、部品を組み立てる手順や加工する方法を一覧表にしたものです。製造部品表は「Manufacturing BOM」の頭文字を取って「M-BOM」と呼ばれます。
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部品管理(BOM)とは?|部品管理に欠かせない基礎知識を詳しく解説
部品管理システムとは
「部品管理システム」は、部品の管理を効率化できるシステムです。製品を組み立てるのに必要な部品の情報を統合的に管理して、各部門に情報を提供できます。部品の管理はこの部品管理システムを使って行うのがおすすめです。
部品を一元管理することで部品に関する情報を各部門で共有できるようになります。解決すべき問題も可視化され、各部門で共有することが可能です。組織全体で部品に関する情報や目指すべき目標を共有でき、生産性の向上に効果的です。従業員のモチベーションの向上にもつながります。
部品管理システムができるまで
従来は部品を紙の部品表で管理していました。部品表は、設計や生産などさまざまな部門で使われます。しかし紙の部品表をそれぞれの部門が使っていると、それぞれで異なる部品表を使うことになります。しかしこうなると「設計を変更したのに他の部門の部品表に反映されない」などさまざまな問題が起こってしまいます。
その後、部品表は紙ではなくエクセルで管理されるようになりました。しかし統一された部品表を作ることは難しく、「設計を変更したのに他の部門の部品表に反映されない」というような問題はまだ解決されません。
このように従来、部品管理は紙やエクセルで管理されていましたが、問題が多くありました。そこで部品管理システムが使われるようになりました。部品管理システムを使った管理によって部品管理における問題を解決し効率よく管理することが可能になりました。部品管理システムによって、各部門で統一された部品表を作ることが可能になります。
従来の管理とシステムでの管理との違いは、システムを利用することで、設計部品表や製造部品表など異なる部品表であってもそれらを含めて一元管理できることです。
システムには部品管理専用のものもあれば、生産管理や購買管理などその他のシステムと統合させて管理できるものもあります。
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部品管理システムの機能4つ
部品管理システムの主な機能には、次のようなものがあります。
部品表管理機能
「部品表管理機能」では、部品の情報をシステムで一元管理することで、設計や生産といった種類ごとに管理できます。それぞれの部品の保管場所や種類が明確になることで、項目が重複してしまうのを避けることができたり、類似設計が簡単にできたりします。
部品表更新機能
「部品表更新機能」では、製品の仕様を変更したり部品を交換したり、情報は頻繁に変わります。システムで一元管理することで、このような情報を一括で更新できるようになり、常に最新の情報にしておくことができます。
在庫管理機能
「在庫管理機能」では、さまざまな在庫の情報を一元管理することで、どこに、何が、いつ保管されたのかをデータとして視覚化できます。在庫管理機能によって在庫の保管場所や保存期間などが明確になることによって、管理業務が効率化できます。
製品管理機能
「製品管理機能」では、製品を種類ごとに管理できます。また部品表や設計図面などの情報を紐付けて登録できるため、製品の図面をすぐに見つけることができます。
部品管理システムの種類2つ
部品管理システムには統合型システムと用途別システムがあり、それぞれメリットとデメリットが異なります。
統合型部品管理システム
「統合型部品管理システム」は、部門を超えて部品表を一元管理できます。統合型システムは、部門間の整合性がとれて、食い違いが生じにくいことがメリットです。しかし、部門ごとに部品表の用途 が異なるため、各部門で活用しにくいというデメリットもあります。
用途別部品管理システム
「用途別部品管理システム」には、部門に特化した部品表管理機能があります。用途別のシステムでは、部門の目的に合わせてシステムが作られているため、活用しやすいことがメリットです。しかし、部門間の整合性が取りにくいというデメリットもあります。
部品管理システムを導入することで、自動的に部品表が更新されるようになります。これによって設計部門内でも情報を共有できるようになり、伝達漏れによる設計ミスを防止できます。
まとめ
この記事では、部品管理の基礎知識や、部品管理業務が便利になる部品管理システムの利用についてご紹介しました。
企業が保持している部品の数量や場所を、部品表を使って管理する部品管理は、重要な業務です。紙やエクセルで管理するのは大変ですが、部品管理システムを使って管理することで問題を解決してスムーズに管理できるようになります。
部品管理にこの記事の内容を活かしていただければ幸いです。