【緊急特集】テレワーク(リモートワーク)導入に関する助成金(3月9日更新)
中小企業診断士、MAMORIO株式会社 取締役の川村です。この度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けられた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
現在も直接的・間接的に被害および影響を被られている方が数多くいらっしゃると思われますが、コロナウイルスの感染の拡大に対して、政府や自治体から金融・雇用等に関連した各種支援策が打ち出されております。
弊社にも、テレワーク(リモートワーク)関連での紛失防止対策のお問い合わせが急増しています。そういった状況の中で、テレワーク(リモートワーク)導入検討企業の一助になればと思い、テレワーク(リモートワーク)導入に関する助成金情報をまとめました。
なお、2020年3月9日時点の情報になりますので、今後新規の情報があり次第更新する可能性もある点、予めご了承ください。
目次[非表示]
テレワーク(リモートワーク)導入に関する助成金
政府や自治体から金融・雇用等に関連した各種支援策が打ち出されております。資金繰り等の金融支援などについては、金融機関や各種専門家がまとめている他の特集も多くございます。
したがって、今回の特集では、まだあまり情報が周知されていない、テレワーク(リモートワーク)導入に関する助成金について解説いたします。
厚生労働省の助成金
2020年3月3日、厚生労働省から、既に終了した時間外労働等改善助成金(テレワークコース、職場意識改善コース)に関する特例が発表されました。
新型コロナウイルス感染症に係る時間外労働等改善助成金(テレワークコース、職場意識改善コース)の特例について
下記リンクで詳細の公表がされましたので、ご確認ください。
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)
参考:時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)
Who(だれが):中小企業事業主
時間外労働等改善助成金のページに詳細な記載がありますが、支給対象となる事業主(企業)は、
中小企業事業主
となります。いわゆる「中小企業」の定義については、助成金が関連する各種法律によって異なり、業種ごとにもことなりますので、検討にあたってご注意ください。
今回の助成金については、A.資本金(または出資額)、B.従業員数(常時雇用する労働者)を基準に「中小企業事業主」の判定を行います。以下のAまたはBの要件を満たす企業が該当し、多くの中小企業、スタートアップ/ベンチャー企業が該当すると思いますのでご確認ください。
①小売業(飲食店も含む)
A.資本金: 5000万円以下
B.従業員数:50人以下
②サービス業
A.資本金: 5000万円以下
B.従業員数:100人以下
③卸売業
A.資本金: 1億円以下
B.従業員数:100人以下
④その他の業種
A.資本金: 3億円以下
B.従業員数:300人以下
When(いつ):2020年2月17日~2020年5月31日
2020年2月17日~2020年5月31日の約3か月半が対象となる事業実施期間になります。
通常の助成金であれば、交付決定の日からの取組になることが一般的ですが、特例コースについては、大臣が会見でテレワーク等の積極的取り込みを呼び掛けた2020年2月17日以降に行った取組であれば、交付決定を行う前であっても、対象となることが大きな特徴です。
Where(どこで):全国の企業。申請窓口は各都道府県の労働局となる見込み。
厚労省の助成金のため、対象となる事業主(企業)は全国の事業主になります。お問い合わせ先(申請窓口)は各都道府県の労働局になる見込みですので、厚労省及び各都道府県の労働局のホームページ等で情報収集されることをお勧めします。
What(なにを):テレワーク用通信機器の導入・運用費用など。上限100万円。補助率50%。
公表された補助金はテレワークコースと職場意識改善コースの2種類ありますが、テレワークの特例コースに絞って記載します。
対象となる取組:
・テレワーク用通信機器の導入・運用
・就業規則・労使協定等の作成・変更 等
テレワーク用通信機器について、具体的にどこまで含まれるかは現段階では明示されていないため、具体的に各申請窓口でご相談されることをお勧めします。
下記リンクの助成事例が一つの参考になります。
助成事例(平成30年度)
・クラウド式の勤怠管理シス テムの導入
・外部専門家によるコンサ ルティング(就業規則の改訂等)
に関する費用については対象になりやすいと推察します。
また、
・パソコン、タブレット、スマート フォンは対象とならない
という可能性が高い点、ご留意ください。
要件:
事業実施期間中にテレワークを実施した労働者が 1人以上いること
支給額:
補助率:50%(1/2)
1企業当たりの上限額:100万円
取組に係る支出(最大200万円)の半額が対象になる見込みです。
How(どのように):事業計画策定が必要。郵送での申し込みが必要。
申し込み方法の詳細は、交付要綱を確認されることをお勧めします。
ポイントとしては、下記の3点になります。
・「時間外労働等改善助成金交付申請書」と事業実施計画書などの 必要書類とともに、テレワーク相談センターに提出すること(2020年5月29日まで)
・計画に沿って取り組みを実施すること
・2020年7月15日までに支給申請すること
パンフレットなど、詳細もホームページに追加掲載されていますので、是非ご確認ください
東京都の助成金(100社限定)
2020年3月5日、東京都から、都内企業のテレワーク環境整備を支援する助成金の募集を開始が公表されました。
事業継続緊急対策(テレワーク)助成金募集を開始します!(第70報)
東京都においては、オリンピック・パラリンピックに向けて、従前からテレワークに関する助成金、支援制度を拡充してきました。今般のコロナウイルス対策で、令和元年度最終補正予算が可決され、追加の助成金が制定されました。(予算枠が3億円であり、100社分を予算計上しているとQ&Aで記載がありました。)
令和元年度最終補正予算(案)(追加分)及び令和2年度補正予算(案)(追加分)について
事業継続緊急対策(テレワーク)助成金 Q&A
さらなる追加支援などが実施される可能性もありますが、現時点の公開情報をまとめます。
Who(だれが):都内の中堅・中小企業等
助成金募集のページに詳細な記載がありますが、支給対象となる事業主(企業)は、
中堅・中小企業等
と記載されており、具体的な要件は下記のとおりです。
1.(1)常時雇用する労働者が2名以上999名以下
1.(2)都内に本社または事業所を置く
2.都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること
「2020TDM推進プロジェクト」とは、東京都が実施する、東京オリンピック・パラリンピック競技大会時の交通混雑緩和を目指すプロジェクトです。
登録申請は、ホームページの簡単なフォームから可能ですが、事務局に確認したところ、
・申し込みから審査、掲載まで3~4日かかる見込みであること
・掲載されてからこの助成金へのエントリーが可能となる
という情報がありましたので、今後変更可能性もありますが、申請可能性がある企業の担当者の方は、まずは「2020TDM推進プロジェクト」への申し込みをお勧めします。(申し込み自体は数分で完了できます。)
また、財団のホームページに下記の追記があり、『自動返信メールの写し』が重要になるため、登録時のメールアドレスはすぐに確認できるものにすることをお勧めします。
現在「2020TDM推進プロジェクト」の登録については、参加申し込みをしてから、ホームページ上に企業名が掲載されるまで、時間を要しています。そのため、本助成金の申請提出書類としては『「2020TDM推進プロジェクト」ホームページの申請者の名称が掲載されているページを印刷したもの』に代わり、『登録申請時に自動返信されるメールの写し』を同封してください。
When(いつ):支給決定日~2020年6月30日
支給決定日以後、2020年6月30日までに完了する取組が対象となる助成事業の実施期間です。
こちらの助成金は、厚労省の助成金と異なり、支給決定日後の支出が対象、となるため、既に支出した場合などに対象外となる点、留意が必要です。
Where(どこで):お問い合わせ先は(公財)東京しごと財団 雇用環境整備課 職場環境整備担当係
お問い合わせ先は(公財)東京しごと財団 雇用環境整備課 職場環境整備担当係 です。
ホームページ記載の電話番号になりますが、電話受付の時間が平日9時~17時(※平日12時~13時、土日・祝日、年末年始を除く)と限られているため、ご質問がある方はお早めに時間内にお問い合わせください。
なお、申請の受付は郵送のみになる点、留意が必要です。
What(なにを):テレワーク用通信機器の購入費用など。上限250万円。補助率100%。
助成対象の費用は上限250万円、補助率は10/10(=100%)と非常によい条件となっています。
FAQにおいても、「1社あたりの助成上限額を250万円とし、100社分を予算計上しています。」と明示されているため、早めに申請されることをお勧めします。
助成対象経費は、厚労省の助成金よりも幅広に例示されています。
- 機器等の購入費(例:パソコン、タブレット、VPNルーター)
- 機器の設置・設定費 (例:VPNルーター等機器の設置・設定作業費)
- 保守委託等の業務委託料(例:機器の保守費用)
- 導入機器等の導入時運用サポート費 (例:導入機器等の操作説明マニュアル作成費)
- 機器のリース料(例:パソコン等リース料金)
- クラウドサービス等ツール利用料(例:コミュニケーションツール使用料
この機会にテレワークに必要なパソコンやタブレット、コミュニケーションツールなどの導入を進められる点、非常に利便性が高い助成金であるといえます。
もし、導入予定ツールから検討中の方は、東京都にテレワーク導入プランとして登録された、テレワーク関連商品・サービスから選ぶと、対象経費と認定される可能性が高いと考えられます。
LINE WORKS、Chatworkなどのチャットツール、Zoomなどの会議ツール、TeamSpiritなどの勤怠管理ツールをはじめ、様々なツールがテレワーク関連商品・サービスとして掲載されています。
なお、FAQにおいては、「導入プランから選択する必要はありません。」と明示されているため、これ以外のツールを導入の場合でも、あきらめずに申請をご検討頂くようお勧めします。
How(どのように):事業計画策定が必要。郵送での申し込みが必要。
申し込み方法の詳細は、募集要項を確認されることをお勧めします。
ポイントとしては、
・下記の①~④までの、4つの書類を準備して申請すること
・2020年6月30日までに事業を完了させること
・2020年7月31日までに実績報告書を提出すること
になります。
① 事業計画書 兼 支給申請書(様式第1-1号)
② テレワークを活用した事業継続及び従業員の安全確保にかかる計画(様式第1-2号)
③ 誓約書(様式第2号)
④ その他助成事業申請に係る書類(詳細は別表3のとおり)
まとめ
テレワーク(リモートワーク)に関して、追加公開された助成金について緊急特集しました。
MAMORIOでは、お問い合わせ増加に対応して、テレワーク(リモートワーク)に関連した情報発信を積極的に進めていきますので、是非、ご参考にしてください。