導入したきっかけ | DX推進の一環として、生コン管理の自動化を模索 |
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導入した決め手 | タグと受信機だけでミキサー車の到着を自動記録できるシンプルな仕組み |
導入した結果 | 管理工数を「0人工」に削減 – 1.5人工の業務が完全自動化 |
建設現場において、コンクリート打設の時間管理は非常に重要な業務です。品質を確保するためには、生コン車の到着時刻や運搬時間、打設完了までの時間を正確に記録し、後でデータを整理して管理する必要があります。しかし、従来の方法では管理者が1人現場に張り付き、手書きの書類を使って記録を行い、後からExcelに転記するという手間のかかる運用が続いていました。
このやり方にはいくつかの課題があります。まず、人員負担の問題です。担当者が生コン車の動きを逐一記録する必要があるため、その間ほかの業務に手をつけることができません。人手不足が深刻化する中で、このような非効率な管理方法では、現場の負担は増す一方でした。また、コストの問題もありました。担当者を現場に張り付かせること自体が人件費の増加につながり、結果的にコストの圧迫要因になっていました。
さらに、アナログな管理による非効率性も大きな課題でした。紙の伝票で記録を取り、それを後からExcelに手入力するため、二重の作業が発生してしまう。転記ミスや記入漏れといったヒューマンエラーのリスクもあり、正確なデータを維持するのが難しいという問題が常に付きまとっていました。
こうした課題に対して、タブレット端末などを活用した生コン管理システムの導入も検討しましたが、それでも人が入力をする作業はなくならず、業務負担を根本的に削減することは難しいと考えていました。せっかくデジタル化しても人が入力しなければならない時点で作業負担は変わりません。もっと根本的に、記録作業そのものをなくす方法はないか。そのような考えでDX化を推進するために、様々な技術の導入を検討していました。
「MAMORIO Biz」を導入するにあたっては、それ以外にもさまざまな選択肢を検討しました。最初に考えたのは、スマートフォンのGPSを活用した管理システムです。しかし、実際に試算してみると、各端末ごとに発生する通信費や管理費の負担が大きく、また端末の紛失リスクも無視できませんでした。
そんな中で注目したのが、ビーコンを活用した近接検知技術です。低コストかつシンプルな管理が可能な方法を模索し、さまざまな製品や事例を調べるうちに『MAMORIO Biz』にたどり着きました。
導入を決めた理由はいくつかありますが、まずはコスト面の優位性です。「MAMORIO Biz」はスマートタグと受信機のみで構成されるため、導入・運用コストを大幅に抑えることができました。さらに、運用の簡単さも大きなポイントでした。一度生コン車にタグを取り付けてしまえば、あとは現場に設置した受信機が自動で車両の記録してくれる。これまで手作業で管理していたことを、ほぼゼロ工数で実現できるのはとても魅力的でした。
またリアルタイムでの通知機能も決め手の一つとなりました。受信機がタグの電波を検知すると、到着情報が自動的にメールで関係者に送信される。これにより、現場の状況を瞬時に共有でき、よりスムーズなオペレーションが可能になりました。
加えて、データの柔軟な活用も大きなメリットでした。収集したデータはPower AutomateやExcelと連携できるので、整理や分析が容易に行えます。これまで蓄積しにくかったデータを活用し、作業の最適化やボトルネックの特定にも役立てられるようになりました。
「MAMORIO Biz」の低コストでシンプルな運用と高い柔軟性は、DXを積極的に推進する私達にとって非常に魅力的でした。このシステムを活用することで、より効率的でスマートな生コン管理体制を構築できると確信し、導入に踏み切りました。
「MAMORIO Biz」を導入したことで、これまで手作業で行っていた生コン車の運行管理が、驚くほどスムーズになりました。
具体的な運用としては、まずミキサー車のフロントに『MAMORIO Biz』のスマートタグを取り付けます。このタグが重要なポイントを通過すると、そこに設置された受信機がタグの電波を検知し、メールを送信、自動的に到着・発車の時刻を記録する仕組みになっています。従来は、人が直接目視しながら時間を記録し、手作業で集計をしていたのですが、そのプロセスが完全に自動化されました。
この仕組みの導入によって、記録業務の負担が大幅に軽減されただけでなく、リアルタイムでの情報共有も可能になっています。受信機がタグの電波を検知すると、情報は即座にメールで送信されます。これにより、現場の進捗も瞬時に把握でき、迅速な対応ができるようになりました。
さらに、収集されたデータは単なる記録にとどまりません。記録されたデータは、Power AutomateやExcelと連携させ、自動的に整理・分析されるようにしています。例えば、ミキサー車の到着・発車の履歴を時系列で可視化したりと、データ活用の幅が広がりました。こうした仕組みのおかげで、工事の進行状況がより明確になり、管理の精度も向上しています。
こうした仕組みの導入により、業務の負担軽減、精度向上、そしてコスト削減が実現しました。「MAMORIO Biz」は単なる位置管理ツールではなく、現場のDXを推進する強力なツールとして機能しています。 私たちはこの仕組みを 「エブエブ(Everything Everywhere All at Once)」 と名付け、さらなる活用の可能性を模索しています。今後も多くの現場で導入を進め、より効率的な運用ができるよう改善を重ねていきたいと考えています。
「MAMORIO Biz」を導入したことで、業務の効率化だけでなく、コスト削減や社内での高評価を得るなど、大きな成果を実感しています。
従来は、生コン打設の管理のために、常に1名が現場に張り付いて記録の対応をしなければなりませんでした。しかし、『MAMORIO Biz』の導入によって、この作業を自動化することができました。その結果、実質的に“0人工”での運用が可能になり、管理者が他の業務に専念できる環境が整いました。これまで必要だった人的リソースの最適化が進み、業務の効率が格段に向上しました。
さらに、データ収集や共有の面でも大きな改善が見られました。「MAMORIO Biz」では、現場に設置した受信機がスマートタグの電波を受信すると、リアルタイムで関係者に通知を送る仕組みになっています。これにより、現場の状況をリアルタイムで把握できるようになりました。打設の進捗が可視化され、報告業務の負担も大幅に軽減されています。コスト削減の効果も見逃せません。専任の管理者を配置する必要がなくなったことで、管理工数を大幅に削減することができました。また、これまでは手作業で行っていた記録業務が不要になり、転記ミスや確認作業の削減にもつながっています。結果として、業務全体の精度向上と効率化が実現しました。
こうした様々な成果が評価され、社内でも高い評価を受けています。「MAMORIO Biz」を活用した取り組みは、社内コンペでも“業務改善の優れた事例”として表彰されました。これをきっかけに、他の現場でも導入の検討が進んでいます。建設業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にも貢献できる可能性が高いと考えています。
「MAMORIO Biz」の導入は、単なる作業負担の軽減にとどまらず、コスト削減やデータ活用の強化を通じて、建設現場の業務改善に大きく貢献しています。シンプルな仕組みだからこそ、今後さらに活用の幅が広がり、建設業界全体のDX推進に向けた重要なソリューションとなることに期待しています。
現在はこの仕組みの可能性をさらに広げ、他の業務にも応用することはできないかと、新たな活用方法を模索しています。
例えば、生コン車以外の車両運行管理への応用です。土を動かす土工事において、ダンプトラックの運搬回数を記録することは工程を管理する上で重要な業務なのですが、これも従来は紙ベースでのアナログな管理がほとんどでした。ダンプトラックに「MAMORIO Biz」のタグを取付けることで生コン打設管理と同様にダンプトラックの運行回数を自動カウントできるのではと考え、実際に現場で試行しているところです。
また、安全管理の観点から、現場の作業員の位置情報の把握や安全管理にも活用できるのではないかと検討しています。例えばヘルメットにタグを取り付けることで、トンネル工事などでも作業員の位置情報を把握できる仕組みを構築できます。これにより万が一の事故が発生した際に現場にいる作業員の正確な人数や位置を即座に把握することもできると思います。
「MAMORIO Biz」は、生コン打設管理の自動化だけにとどまらず、建設現場のさまざまな業務に応用できる可能性を持った製品だと思います。今後、こうした新たな活用方法を検証しながら、さらなる業務効率化を進め、建設業界のDX推進に貢献していきたいと考えています。
インタビューは以上になります。ありがとうございました。Copyright© 2019 MAMORIO,Inc. All Rights Reserved.